体調不良は寒さだけが原因ではない|冬にこそ感じたい、五感と流れ
寒い季節になると、なんとなく体が重い、気分が沈む、眠りが浅い。そんな不調を「冷え」や「年齢」「疲れ」のせいにしていませんか。けれど昔の人は、体の不調をもっと広い視点で見ていました。それは、体だけでなく、季節や空間、空気との関係性まで含めて考えるという視点です。不調は、単純な原因から生まれるものではありません。体は、季節を感じ、場所の空気を受け取りながら、常に何かを調整し続けている存在なのです。
冬の空気と、体の感覚
冬の空気は、音を吸い、動きを遅くします。同じ道、同じ部屋でも、夏とはまったく違う表情を見せる季節。この「重さ」や「静けさ」は、体にもそのまま影響します。呼吸は浅くなり、血の巡りは内側へ。気づかないうちに、心も体も守りの姿勢になる。昔の人は、こうした変化を「悪いこと」ではなく、自然な巡りの一部として受け止めていました。
場所は、空気を覚えている
場所も空気を変化させます。人の出入り、季節の重なり、そこで過ごされた時間の層。静かな場所に入ったとき、理由もなく落ち着いたり、逆にざわついた気持ちになることがあるのは、空気が感覚に触れている証拠です。体は、目に見えない情報を五感で受け取り続けています。だから不調は、体だけの問題ではなく、どんな空気の中で過ごしているかとも深く関わっているのです。
巡りを思い出すということ
昔の養生の考え方は、何かを「足す」よりも、流れを整えることを大切にしていました。今の季節は、外へ広がるより、内へと巡る時間。動きすぎず、溜め込みすぎず、その間をゆっくり往復するような感覚。ハーブティーは、その巡りを強制するものではありません。ただ、体が今どこにいるのかを静かに思い出させてくれる存在です。温度、香り、余韻。五感を通して、季節と体の距離を少し近づける一杯。
不調は、完全なる敵ではありません。それは、「今の季節と、少しズレているよ」という体からの合図ではまいでしょうか。季節を感じ、空気を感じ、場所の気配に身を置く。そうした小さな感覚の積み重ねが、巡りを整え、冬を穏やかに過ごす力になります。体は、季節を覚えています。空間は、空気を覚えています。
そのことを思い出すだけで、日々の過ごし方は、少しやさしく変わっていくのかもしれません。

