寒暖差がもたらす”気”の乱れ-ジンジャーとカモミール-

寒暖差がもたらす”気”の乱れ-ジンジャーとカモミール-

朝晩の寒暖差が激しい季節。「なんとなく体が重い」「気分が落ち着かない」と感じることはありませんか?それは単なる気温のせいではなく、自律神経の乱れが影響しているかもしれません。東洋医学では、寒暖差によって生じる不調を「気(き)の滞り」や「冷え」としてとらえます。

体温や血流、気分の変化までもが“巡り”と深く関わっているのです。それでは、寒暖差が大きいこの季節私たちはどのように過ごすと良いのでしょうか。

貝原益軒の養生訓と寒暖差

江戸時代の健康書『養生訓(ようじょうくん)』では、

「寒きに暴(あら)く、熱きに過(すご)すは病を生ず」と記されています。

これは、“寒暖の差に無頓着に過ごすと、体の陰陽の調和が乱れ、病のもとになる”という意味となっています。つまり、体温の急な変化は「気」の流れを乱し、心身のバランスを崩す原因になるという考えです。だからこそ、寒いときは首やお腹を冷やさない、温かい飲み物で内側から整える、そんな小さな養生が大切なのです。

寒暖差とジンジャー ― ゆらぎの季節を支えるハーブ

寒暖差で起こる「気の滞り」や「冷え」には、東洋医学で“温”と“和”の性質をが助けになります。

ジンジャー(しょうが)は、体を内側から温めて血流を促し、滞った“気”を巡らせる「温性」の代表格。手足の冷えや肩こりなど、寒暖差によって起こる“気の停滞”をやさしくほぐしてくれます。

「気・血・水」で見る寒暖差の影響

東洋医学では、人の体は「気・血・水(き・けつ・すい)」で成り立つと考えられています。

気(き) … 生命エネルギー。ストレスや寒暖差で滞りやすい。

血(けつ) … 栄養や潤いを運ぶもの。気の滞りで巡りが悪くなる。

水(すい) … 体内の水分。冷えや湿気で停滞し、むくみを招く。

寒暖差が激しい時期は、この三つの流れが不安定になりやすく、特に“気”の乱れが“血”や“水”の滞りへと連鎖していきます。

寒暖差とハーブティー

忙しい日々の中でも、ハーブティーは最も身近な“養生”のひとつ。湯気と香りに包まれながら飲むことで、呼吸が整い、心が静かになります。それは、温かい飲み物を口にするということもこの季節にはとても重要です。

寒暖差の季節には、ジンジャーとカモミールを合わせた一杯を飲んでみてはいかがでしょうか。

寒暖差で乱れる自律神経は、東洋医学では「気の乱れ」「冷え」として現れます。養生の基本は、無理をせず、温めて、緩めること。ジンジャーで内側から温め、カモミールで心をほぐす、そんな小さな習慣が、寒暖差に負けない穏やかな日々をつくってくれます。

寒暖差の季節を穏やかに乗り切れますように

Jasper Green