暑さと高い湿度が続く日に気をつけたい”湿熱”と伝統の知恵で体を整える方法
最近は5月でさえ真夏のような暑さが続く日が増えてきましたね。気温が30度を超え、湿気が重くのしかかるような日は、体もなんとなく重だるく、食欲が落ちたり、眠りが浅くなったりすることはありませんか?実はこのような季節は、漢方でいう「湿熱(しつねつ)」がたまりやすい時期と言われています。それでは湿熱とは一体なんでしょうか。
「湿熱」とは?
湿熱とは、読んで字のごとく「湿(ジメジメ)」と「熱(こもった暑さ)」が体にたまった状態といわれています。余分な湿気がたまり、体に熱がこもってしまうこの状態になると体に不調が現れやすくなります。主な原因は、高温多湿の環境、ストレス、急激に冷たいものを摂りすぎる、運動不足などがあげられます。体に現れる不調のサインとして、
・食欲不振
・胃のもたれ
・頭の重さ
・気分のイライラ
・むくみ
などがおこるとされています。このような状態になっていたら注意が必要です。
東洋と南アジアの「暑さ対策」の知恵
こうした体調不良に、昔から人々は植物の力を取り入れてきました。たとえば漢方では、湿熱を取り除くために、
• 薄荷(はっか)=スペアミント
• 香茅(こうぼう)=レモングラス
• 茯苓(ぶくりょう)や藿香(かっこう) などの芳香性のあるもの
を用いて、気の巡りを整えたり、消化器を助けたりしてきました。
タイやベトナムなどの東南アジアでも、食後にレモングラスティーを飲んだり、スパイシーなハーブで発汗を促したりと、自然に「熱と湿を出す」生活の知恵が根づいています。
インドのアーユルヴェーダでは、体に熱がこもりやすい「ピッタ体質」への対処として、
• ミントやフェンネル
• コリアンダー
など、身体をクールダウンさせるハーブやスパイスが取り入れられています。
暑さを我慢せず、体に合った選択をする
近年は5月といえど、気温が30度を超える日もでてきました。無理に冷たいものをとるのではなく、ハーブティーでゆるやかに熱を冷まし、湿をさばいていくのが、身体にやさしい方法です。自然の恵みで、体を整えるひととき。“ちょっと疲れたな”と感じた日に、ぜひハーブティーの時間をとってみてくださいね。
湿熱がたまりやすい初夏にハーブが優しい働きをしてくれますように