ななか眠れないと感じる夜はありませんか?眠る前に緊張をしないことが大切と思っている方が多いと思いますが、実は体の「深部体温ゆっくり下がる」そのプロセスこそが、質のよい眠りへの合図になります。私たちのからだは、体温のリズムが整うことで、自然と眠りのスイッチが入るようにできているのです。
深部体温と眠りの関係
深部体温とは、体の内部深くの“身体の中心”の温度のことです。この温度が日中は自然に高く、夜に向けて下がっていくことで、眠気が訪れます。しかし、ストレスや不規則な生活、スマホの光、遅い時間の食事などによって体温の下降が遅れると、「寝つけない」「眠りが浅い」といった不調につながります。逆に言えば、深部体温の下降をスムーズにしてあげることで、眠りのリズムは整いやすくなるということ。
ゆっくり温めて、ゆっくり冷ます。この緩やかなカーブが深い眠りを招く鍵になります。
ティータイムが“眠りのサポート”になる理由
温かい飲み物を口にすると、一時的に体が温まります。すると身体はその“熱を逃がそう”として、末端の血流を良くし、深部体温を自然に下げていきます。これが、夜のティータイムが眠りの準備になる理由です。さらに、ハーブの香りは自律神経のスイッチを穏やかに切り替えてくれるため、呼吸が深まり、心の緊張もほどけていきます。忙しい日でも、このひと手間を加えるだけで、夜のリズムは静かに整いはじめます。
睡眠に良いおすすめハーブ
● カモミール
甘くやわらかな香りで自律神経を落ち着かせる。胃が重い夜におすすめです。それだけで飲みづらい時は他のハーブとの相性も良いハーブです。
● ラベンダー
香りが高く柔らかくも強い芳香が、深い呼吸と穏やかな時間を運びます。ブレンドに少量加えると香りが上品に広がります。
● パッションフラワー
睡眠のハーブの代表。神経の高ぶりを緩め、“考えすぎて眠れない”タイプにやさしいハーブです。香りは特徴的なので、他のハーブとのブレンドがおすすめです。
● リンデン(菩提樹の花)
緊張や不安感をほどく穏やかなハーブです。寝る前1時間前くらいのリラックスタイムに飲むと一旦体が温まり、温度の差を作れるのでおすすめです。
いずれもカフェインが含まれず、夜のティータイムにぴったりのハーブです。香りがふわりと立ち上がる瞬間は、すでに“眠りの準備”の始まりです。
眠りは努力ではなく、リズムで整えるものです。深部体温がゆっくり下がっていく、その自然な流れに寄り添うだけで、私たちの身体は本来の眠りを取り戻していきます。
温かいハーブティーを手にするひとときは、心と体のスイッチをそっと夜モードに変える、小さな習慣に。

