アフロディーテの香り:カモミールとリンゴの癒しのハーブティー
冷たい風が吹く季節になると、私たちは自然と温かい飲み物を求めます。そんな時におすすめなのが、カモミールとリンゴのハーブティー。優しい甘みとほのかな酸味、ふんわりと包み込む花の香り。一口飲むと、張りつめた心がほどけていくような感覚になります。古代から「癒し」と「愛」の象徴とされたこの香りには、美の女神アフロディーテにも通じる物語が隠されています。
リンゴ:アフロディーテにまつわる「美と愛の果実」
リンゴは神話の時代から多くの物語に登場しますが、古代ギリシャ神話ではアフロディーテの象徴とも言われています。
「パリスの審判」と言う話をご存知でしょうか?歴史的にも深く関わる話として登場するこの物語は、「最も美しい女神に贈られた金のリンゴ」がきっかけで、トロイ戦争に繋がったという伝承があります。
その時に、最も美しい女神に選ばれたのがアフロディーテ(ヴィーナス)です。結果的に、悲劇の幕開けとなってしまいましたが、それほどまでに、リンゴは“愛と魅力”のシンボルとされてきました。また、ヨーロッパには「1日1個のリンゴが医者を遠ざける」という言葉が残るように、健康維持にも欠かせない果実です。
ビタミンやポリフェノール、リンゴ酸が豊富で、不調を和らげてくれます。甘く優しい香りが、カモミールのリンゴのような香りと不思議に調和するのです。
カモミール:太陽の花と呼ばれた癒しのハーブ
カモミールの名前は、ギリシャ語の “chamaimelon(地上のリンゴ)” に由来します。その名の通り、花にはリンゴのような甘い香りが漂います。古代エジプトでは太陽の力を宿すハーブとして、疲れや怒りを癒やし、穏やかな眠りをもたらすと信じられていました。また、中世ヨーロッパでは「女性を癒す花」として知られ、安眠のためのハーブティーとして重宝されてきました。カモミールは、まさに“心と身体を同時に包み込む”優しい薬草なのです。
香りがつなぐ女神の癒しと冬のハーブティー
アフロディーテが象徴する“愛と美”は、ただ外見の美しさではなく、“内側から輝く健やかさ”のこと。カモミールとリンゴのハーブティーは、まさにその「内なる美しさ」を整えるブレンドです。寒い季節に冷えた体を温め、緊張を解き、心を優しく開いてくれる香りは、体を優しく包んでくれるはずです。
冬のアップルシナモンハーブティー
さらに、寒さが深まる季節にはシナモンを加えるのがおすすめです。シナモンは体を芯から温めるスパイスです。そこにリンゴの自然な甘みとカモミールの花の香りが重なると、まるで古代から続く癒しの香りのように心身を解きほぐしてくれます。
古代から美と癒しを象徴してきたカモミールとリンゴ、そして女神アフロディーテの物語。この冬は、そんな神話の世界を旅してみるのはいかがでしょう。

