なぜハーブは春の不調に使われてきたのか
春になると、くしゃみや鼻のむずむず、目のかゆみなど、体の不調を感じる人が増えます。最近では花粉だけでなく、黄砂や大気中の微粒子も重なり、春は呼吸器や粘膜にとって負担の多い季節になりました。こうした季節の不調に対して、昔の人たちはどのように向き合っていたのでしょうか。
ヨーロッパと春のハーブ
実はヨーロッパでは、春になるとハーブを取り入れる習慣が古くからありました。春は自然が目覚める季節ですが、同時に人の体も大きく揺らぐ季節です。寒い冬から暖かい春へ、空気は乾き、風が強くなり、花粉や黄砂が舞う。こうした環境の変化は、鼻や喉、目の粘膜に影響を与えます。昔の人たちは、この季節を「体を整える時期」と考えていました。
そして春になると、あるハーブをよく飲んでいたのです。
春は体が敏感になる季節
現代医学では、花粉症は免疫反応による炎症と説明されています。花粉などの異物が体に入ると、体はそれを排除しようとして免疫が反応し、ヒスタミンが放出されます。その結果
• くしゃみ
• 鼻水
• 目のかゆみ
といった症状が起こります。さらに近年は黄砂や微粒子なども加わり、春は呼吸器や粘膜にとって刺激の多い季節と言われています。
昔の人は「春の浄化」を大切にした
ヨーロッパの薬草文化では、春は体を整える季節と考えられていました。冬の間にこもりがちだった体を整えるため、春にはミネラルや栄養を多く含む野草を取り入れていたのです。春の野草やハーブは
• ミネラルが豊富
• 若い葉のエネルギーが強い
• 体を穏やかに整える
と考えられていました。そのため春になると、野原で薬草を摘み、スープやお茶として取り入れる習慣がありました。
春のハーブ : ネトル
春の薬草として特に知られているのがネトル(イラクサ)です。
ネトルはヨーロッパでは古くから「春のハーブ」として親しまれてきました。鉄分やカルシウムなどのミネラルが豊富で、春の体調を整えるハーブとして伝統的に使われ、近年では、ネトルがアレルギー反応に関係する働きを持つ可能性についての研究もあり、花粉の季節に飲まれるハーブティーとしても知られています。春になるとネトルティーを飲む習慣が残っている地域もあります。
春は美しい季節ですが、体にとっては変化の大きな季節でもあります。花粉や黄砂で揺らぐ体を、無理に抑え込むのではなく、ゆっくり整える。そんな時に昔の人が頼っていたのが、春のハーブでした。
その代表的な植物のひとつが、ネトルです。春の一杯のハーブティーは、季節の変わり目に寄り添う、昔からの知恵なのかもしれません。
春が良い季節になりますように

